岸火工品製造所では、古より伝わる伝統技術を守りながら、最新の技術を融合させ、様々な花火を開発しています。ここでは、私たちの花火づくりの様子を紹介しています。皆さんが見る花火がどのように作られているのか、岸火工の花火師がどんな風に仕事をしているのかを、少しでも知っていただけると幸いです。
花火作りのはじまりは火薬の調合から。配合の割合をしっかりと計算し、必要な材料や薬品を正確に計量し、注意深くに混ぜ合わせて粉末状の火薬を調合していきます。赤・青・緑・黄色…花火の色は、この調合する薬品の種類や割合によって作られます。
そこから、花火にとって最も大切な元となる「星」づくりに入ります。先の工程で作られた火薬に水を加え、回転釜の中で水を加えながらさらに火薬を加えて太らせていきます。これを工場の中央に位置する乾燥場で、天日に浴びせて乾燥させます。この作業を何回も繰り返すと「星」が完成します。
花火を構成するそれぞれの部品が出来たら、次は仕込みの作業。半分にした玉皮に規則正しく星を並べていきます。そして、紙に包まれた花火を開かせるための割火薬を中心にセット。上下2つ分同じものを作ったら、それらを合体させて一発分の花火玉の原型が出来上がります。
最後に仕上作業です。花火玉の原型の表面にクラフト紙を糊で貼り付けていきます。ここでも貼り付けと乾燥の作業を複数回行います。この回数は玉のサイズや種類によっても変わってきますが、30cm玉(尺玉)で約50枚を貼ります。この工程で花火玉は完成となります。岸火工では年に1万5千発ほどの花火玉を作っています。
花火づくりは昔からつづく伝統的な方法で行っていますが、岸火工が得意とするミュージック花火やその他製品づくりには、最新の技術の導入が欠かせません。特定のタイミングでぴったりと花火を打ち上げるためには、プログラム制御での打ち上げコントロールを行います。このように岸火工では、最新の技術と伝統の継承、そして新たなアイデアを常に模索しながら、新たな花火の可能性を開拓しています。